無料ダウンロード翔ぶが如く(一) (文春文庫) pdf

翔ぶが如く(一) (文春文庫)

によって 司馬遼太郎

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司馬遼太郎畢生の大長編!西郷隆盛と大久保利通。ともに薩摩藩の下級藩士の家に生まれ、幼い時分から机を並べ、水魚の交わりを結んだ二人は、長じて明治維新の立役者となった。しかし維新とともに出発した新政府は内外に深刻な問題を抱え、絶えず分裂の危機を孕んでいた。明治六年、長い間くすぶり続けていた不満が爆発。西郷は自ら主唱した“征韓論”をめぐって大久保と鋭く対立する。それはやがて国の存亡を賭けた抗争にまで沸騰してゆく――。西郷と大久保、この二人の傑人を中心軸に、幕末維新から西南戦争までの激動を不世出の作家が全十巻で縦横に活写する。

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人の世は破壊と建設とで成り立っている。破壊はほとんどの人にできるが、建設を担える人は少ない。倒幕を終えて建設期に移ると、建設の才を持つ者は出身を問わぬ大久保利通の下に集って近代国家の建設に邁進するが、時代に置き去りにされた破壊者たちは二匹目のドジョウを新政府に定める。御一新後、国家を建設するという俗でよごれた手を必要とする仕事にまるで適かず落魄していた西郷隆盛は彼らには恰好の神輿に映った。本書には幕末を生き残った英雄豪傑が次々に登場する。皆、得体のしれぬドロドロした不満を持っていて、全体に陰鬱である。著者の作品は初期に書かれた主人公に感情移入できている明るいものと、後期に書かれた主人公に好意を持っているのか疑問で、部分的に肯定して全体として否定的な印象が残るものとに分かれる。本書は後者に当たり、登場人物の実際の心事も恐らくそうだったのだろうが、暗くて読む者を奮い立たせるようなものはない。物語はこの後、西郷・桐野利秋と大久保・川路利良とのすれ違いから内乱までが描かれる。著者は終始西郷の弁護に努めるが、使命感を持つ建設者に対し、不平不満から起こる破壊者はどうしても分が悪く、西郷をかばいきれなくなってゆく。この不満分子が今日の野党にそっくりなのは仕方ないとして、与党に大久保たちのような使命感が感じられないのは、ご時世とはいえ実にやり切れない。

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