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世界史のなかの女性たち (アジア遊学186)

によって 水井万里子

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内容紹介 世界史叙述の中で十分には取り上げられてこなかった女性たち。 しかし、女性たちのあり方は、世界の歴史変動や価値変動に影響される一方で、その大きな歴史潮流もまた彼女たちの生き方の「束」から作用を受けてきた。 女性のライフイベントを軸として、歴史のなかの女性たちの生き方・価値観を見直し、彼女たちと歴史的文脈のインタラクティブな関係性を描き出す。 内容(「BOOK」データベースより) 世界史叙述の中で十分には取り上げられてこなかった女性たち。しかし、女性たちのあり方は、世界の歴史変動や価値変動に影響される一方で、その大きな歴史潮流もまた彼女たちの生き方の「束」から作用を受けてきた。女性のライフイベントを軸として、歴史のなかの女性たちの生き方・価値観を見直し、彼女たちと歴史的文脈のインタラクティブな関係性を描き出す。 著者について 水井万里子(みずい・まりこ) 九州工業大学大学院工学研究院教授。専門はコーンウォル史、イギリス東インド会社植民都市史。 主な論文に「イギリス鉱物資源史と環境―コーンウォル半島鉱業地域の事例から」(水島司編『環境と歴史学』勉誠出版、2010年)などがある。 杉浦未樹(すぎうら・みき) 法政大学教授。専門は近世流通・消費史、とりわけ古着流通の世界史。 伏見岳志(ふしみ・たけし) 慶應義塾大学商学部准教授。専門は中南米・大西洋史。 主な著書に「密輸が成功するにはなにが必要か―十七世紀の大西洋密貿易商人による覚書の分析」(『人文科学』27、2012年)、「スペイン領アメリカにおける逃亡者コミュニティの生成」(『歴史学研究』924、2014年)などがある。 松井洋子(まつい・ようこ) 東京大学史料編纂所教授。専門は日本近世史。 続きを見る

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タイトルから見ると「ジェンダーとかフェミニズムの主張が色濃い、説教臭い本だろうな」と思われるでしょうが、実際読むと世界各地の人生のタイミングに於ける女性の役割とか、地域による違いや一方で共通点も明らかにした論文集です。本の前書きからまとめると、ライフイベント(結婚、出産、老化など)を通してそれぞれの地域、時代での女性の生き方、あり方を考えた一冊という事になります。内容一覧は勉誠出版の公式HPを確認した方が早いですが、ざっと(1)教育(2)労働(3)結婚と財産(4)妊娠、出産、育児(5)移動(6)老いという6つのライフイベント別に論文がジャンル分けされています。(1)に掲載された湯麗氏と藪田貫氏の論文では江戸時代の女性の教育/教養について述べた物なのですが、特に藪田氏の論文ではあの悪名高い「女大学」について今考えられているのとは違う読み方をされていた可能性と、貝原益軒の著書ではない可能性を指摘していて興味深いです。(3)では19世紀のメキシコで「財産もない身分違いの男性と結婚するくらいなら独身の方がマシ」という考えが主流になっていた事例を取り上げ、今の日本と同じじゃないか、と苦笑しながら読みました。しかしこの本では何故かオランダのアジア植民地の事例を取り上げた物が多いのが特徴です((4)の水谷智論文、(5)で取り上げた4つの論文すべて)。それらを読み合わせると、近代ヨーロッパ(と言ってもオランダ限定ですが)がアジアを見る視線、オランダ人と現地人(中にはイスラム圏経由で売買された奴隷もいたらしい)の間に生まれたハーフの処遇、19世紀になって新しくオランダから来た人々とそれらハーフの末裔の間の軋轢などなど、興味深い話の連続です。今さら恥ずかしいのですが、あのじゃがたらお春が実際は裕福な余生を過ごしたという話をこの本で始めて知りました…。この本では何故かオランダ関係の事例しか載っていなかったのですが(史料残存量の関係かな)、イギリスやスペイン・ポルトガルと比較してどうだったのか、気になります。特に(5)の吉田信論文では20世紀初頭、インドネシアで結婚したオランダ人ハーフがその後の日本占領、戦後のインドネシア独立でオランダに送還(追放)されるという悲劇の結末が淡々と書かれていて印象深い内容でした。「アジア遊学」シリーズとしては珍しく、中国/韓国を取り上げた論文は掲載されていません。『東アジアの結婚と女性 (アジア遊学 157)』も読み合わせされるとよいと思います。

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